ペース⇔時速の換算が必要になる場面
時速→ペース・完走時間 早見表(時速6〜16km/h)
時速10キロで走ると1キロ何分か、5km・10km・ハーフ・フルはそれぞれ何時間か。トレッドミルの速度設定からそのまま読み取れます。
| 時速 | 1kmあたり | 5km | 10km | ハーフ | フル |
|---|---|---|---|---|---|
| 6 km/h | 10:00 | 50:00 | 1:40:00 | 3:30:59 | 7:01:57 |
| 7 km/h | 8:34 | 42:51 | 1:25:43 | 3:00:50 | 6:01:40 |
| 8 km/h | 7:30 | 37:30 | 1:15:00 | 2:38:14 | 5:16:28 |
| 9 km/h | 6:40 | 33:20 | 1:06:40 | 2:20:39 | 4:41:18 |
| 10 km/h | 6:00 | 30:00 | 1:00:00 | 2:06:35 | 4:13:10 |
| 11 km/h | 5:27 | 27:16 | 54:33 | 1:55:05 | 3:50:09 |
| 12 km/h | 5:00 | 25:00 | 50:00 | 1:45:29 | 3:30:59 |
| 13 km/h | 4:37 | 23:05 | 46:09 | 1:37:22 | 3:14:45 |
| 14 km/h | 4:17 | 21:26 | 42:51 | 1:30:25 | 3:00:50 |
| 15 km/h | 4:00 | 20:00 | 40:00 | 1:24:23 | 2:48:47 |
| 16 km/h | 3:45 | 18:45 | 37:30 | 1:19:07 | 2:38:14 |
「1kmあたり」はペース(分:秒)、それ以降は完走時間(時:分:秒、1時間未満は分:秒)。ハーフ21.0975km、フル42.195km。
ペースと時速は、同じ走りを別の単位で言い換えたものです。単位が食い違って手が止まるのは、たいてい次の3つの場面です。
- トレッドミル:パネルは時速表示、練習メニューはキロ何分。設定の前に一度換算が要ります。
- 海外のトレーニングプラン:Hansonsなど分/マイル表記のプランもあります。1マイル=1.60934kmで読み替えます。
- 目標タイムからの逆算:フル4時間はキロ5分41秒=時速10.56キロ。目標を日々の練習の単位に落とし込めます(距離別の逆算はペース計算機)。
換算式と、時速が上がるほどペースが動かなくなる理由
ペースと時速の換算は予測ではなく定義です。1時間は60分なので、時速v キロなら1kmにかかる時間は 60 ÷ v 分、ペースがp 分/kmなら時速は 60 ÷ p キロ。個人差や当日のコンディションが入り込む余地はなく、誤差はゼロです。
機械が時速、ランナーがペースを使うのは、測っている対象が違うからです。トレッドミルのモーターが制御しているのはベルトの速度で、パネルはその設定値をそのまま出します。一方ランナーは1kmごとのラップで練習もレースも管理する。この食い違いが、室内練習でいちばん多い戸惑いの原因です。
逆数関係なので、時速の「+1」とペースの「-1分」は等価ではありません。時速10キロ→11キロではペースが33秒/km速くなります(キロ6分00秒→5分27秒)が、時速15キロ→16キロでは15秒/kmしか動きません(キロ4分00秒→3分45秒)。速い域ほど、同じ時速+1の価値は小さくなります。
この非対称はトレッドミルの操作に直接効きます。0.1キロ刻みで調整できる機種でも、1段の重みは時速8キロ付近で約5.6秒/km、時速15キロ付近では約1.6秒/km。ジョグの速度域ほど1段の押し間違いがペースを大きく動かすので、遅い設定のときこそ数字を確認してから走り出してください。
換算した時速を練習でどう使うか
トレッドミルの設定手順
プランのペースが決まっているなら、設定は3ステップで終わります。
- ペースを時速に直す。キロ4分30秒なら時速13.33キロ(下の早見表で引けます)。
- 0.1刻みで近い段を選ぶ。13.3ならキロ4分31秒、13.4ならキロ4分29秒——速い側と遅い側のどちらに寄せるかを先に決めておきます。
- 屋外と同じ強度で走りたいなら傾斜を1%に。傾斜を含めた換算はトレッドミル傾斜計算機、傾斜込みの屋外相当ペースはトレッドミルペース計算機で確認できます。
海外プランの単位に注意
アメリカのコーチは分/マイル、日本やヨーロッパは分/kmでペースを処方します。マイル8分00秒をキロ8分00秒と読み違えると、時速12.07キロで走るはずの練習を7.5キロで走ることになり、速度で約1.6倍の差が出ます。Hal Higdon、Jack Daniels、Hansonsなど海外のプランを使うときは、まず単位系を確認してください。
換算係数は1マイル=1.60934km。キロ5分をマイルに直すと8分03秒ですが、1.6で概算すると8分00秒。1マイルで3秒の差でも、フル1本(26.2マイル)では約1分15秒ずれます。
ペース→時速・完走時間 早見表(キロ4分〜8分)
キロ5分は時速何キロか、そのペースでフルマラソンは何時間かかるか。フル目標の目安はサブ3がキロ4分15秒、サブ4がキロ5分41秒、サブ5がキロ7分06秒です。
| ペース | 時速 | マイル | フル |
|---|---|---|---|
| キロ4分00秒 | 15.00 | 6:26 | 2:48:47 |
| キロ4分30秒 | 13.33 | 7:15 | 3:09:53 |
| キロ5分00秒 | 12.00 | 8:03 | 3:30:59 |
| キロ5分30秒 | 10.91 | 8:51 | 3:52:04 |
| キロ6分00秒 | 10.00 | 9:39 | 4:13:10 |
| キロ6分30秒 | 9.23 | 10:28 | 4:34:16 |
| キロ7分00秒 | 8.57 | 11:16 | 4:55:22 |
| キロ7分30秒 | 8.00 | 12:04 | 5:16:28 |
| キロ8分00秒 | 7.50 | 12:52 | 5:37:34 |
時速の単位はkm/h、「マイル」は1マイルあたりのペース(分:秒)、「フル」は42.195kmの完走時間。
目標タイムから逆算したペース・時速をもとに日々のトレーニングペースを設定し、現在地と目標のギャップをレースタイム予測で確認しましょう。
時速別の強度ゾーン — その数字が練習で何を意味するか
換算した数字が意味を持つのは、強度帯に当てはめたときです。同じキロ6分(時速10キロ)でも、走り始めた人にはテンポ走に近い負荷、サブ3:30を狙うランナーにはリカバリー。速度は絶対値・強度は相対値という前提で、以下の6段階を目安にしてください。
ウォーキング(時速6キロ未満/キロ10分00秒超)
歩きの領域です。ただし歩行から走行へ自然に切り替わるのは約7.4キロ(Hreljac 1993)で、時速6〜7キロ台は「速歩きでも走りでも成立する」重なりの帯。ランニングを始める前の土台づくりに使えます。
ジョグ(時速6〜8キロ/キロ7分30秒〜10分00秒)
初心者の巡航帯であり、経験者のリカバリー走の帯。心拍は最大の60〜70%、会話が続く「トークテスト」が通る強度です。ただしこれは速度の話ではありません——エリートも練習の約8割を会話できる強度に置きますが(Seiler 2010)、彼らのイージー走は時速12〜15キロ、この表では「高速」に入ります。
中強度(時速8〜10キロ/キロ6分00秒〜7分30秒)
多くの市民ランナーの日常ジョグがここに入ります。心拍は最大の70〜80%。この速度で走り切るとフルは4時間13分〜5時間16分で、初マラソン完走を目指す層の巡航帯とほぼ重なります。
テンポ(時速10〜13キロ/キロ4分37秒〜6分00秒)
おおよそ乳酸閾値の強度で、心拍は最大の80〜90%。20〜40分は保てるが集中が要る「快適にきつい」感覚の帯です。サブ4(キロ5分41秒=時速10.56キロ)もサブ3:30(キロ4分58秒=時速12.08キロ)も速度としてはこの帯に入りますが、本人の走力によって主観的な強度は閾値走にもマラソンペースにもなります。
高速(時速13〜16キロ/キロ3分45秒〜4分37秒)
インターバルとレース速度の帯。心拍は最大の90〜95%で、VO2maxを刺激します。5kmを20分で走ると時速15.0キロ、この帯の上寄りです。
スプリント(時速16キロ超/キロ3分45秒未満)
市民ランナーにとってはほぼ全力。短いスプリントインターバルやスピード養成に使う帯です。男子マラソン世界記録(1:59:30)は平均時速約21.2キロ(キロ2分50秒)、女子世界記録(2:09:56)は約19.5キロ(キロ3分05秒)。世界のトップはこの帯で42.195kmを走り切ります。