シカゴ · 2026年10月11日 · 参加体験記
初めてのシカゴマラソン:3時間51分19秒と、タイム以外のこと
この記事の目次
シカゴマラソンを走ってから、2週間あまりが過ぎました。ようやく座って、この旅のことを書いています。
結果は3時間51分19秒。自己ベストでしたが、目標の3時間45分には届きませんでした。終盤は3回脚がつり、ゴール後には車椅子で救護所へ連れていってもらいました。
それでも振り返ると、行ってよかったと心から思います。

数秒で「行く」と答えた大会
8月半ばごろの土曜の夜。家のソファで映画を見ていたら、ランニングクラブのリーダーから連絡がありました。シカゴマラソンのスポンサー枠があるけれど、走る? 航空券とホテルは自分で払うことになるかもしれない、と。
数秒で、もちろん行くと答えました。
自分ではENTJだと思っていますが、あのときは計画を立てる前に決めていました。
だって、シカゴマラソンです。人気大会に申し込んでも、出られるとは限りません。人生で一度きりのチャンスかもしれない、とまで思いました。
現実的なことを考え始めたのは、返事をしてから。アメリカのビザは期限切れ。本番まで約8週間しかありませんでした。
運動をしていなかったわけではありません。筋トレは週3回、HYROXの準備もしていました。ただ、6〜8月の走行距離は月50kmほど。今年前半に走ったハーフは1時間45分台で、まだ余裕がある感覚でした。フルの経験は、2024年の上海で走った4時間8分31秒だけでした。
ハーフのタイムを参考に、挑戦したい目標として3時間45分を設定。RunDidaのAIプラン作成ツールで8週間の予定を組み、練習を始めました。
ロング走を、本番の予行演習にした
最初の数週間は順調でした。距離が少しずつ増える時期だったこともありますが、何よりシカゴを走れるのが楽しみでした。
難しくなったのは、ロング走の距離が延びてからです。
26kmの予定が、14kmで終わった日もありました。暑い午後で、途中の給水もうまく準備できていませんでした。雨の日もあれば、一人で走っているうちに終わりにしたくなる日もありました。外には出たけれど、予定の距離までは走れなかった、ということです。
プランには、最も長い2回のロング走を両方終えられなければ、目標を3時間55分に変える条件がありました。覚えていましたが、それでも3時間45分に挑戦したかったのです。
本番の3週間前には、日曜の朝8時から予行演習をしました。シューズも服も本番用。朝食、ジェルや塩分補給も当日の予定どおりにして、途中で止まらずに済むよう学校のトラックを選びました。
32kmを、2時間50分で走りました。
前半は順調。でも後半はペースを維持するのが難しくなり、1km5分30秒〜6分ほどまで落ちました。脚を上げて少し速く走れても、続きませんでした。
完走はできそう。ただ、3時間45分は簡単ではない。そう感じた練習でした。
走る以外の準備にも力を入れていました。いろいろなジェルや糖質ドリンク、ビーツの粉末やタートチェリージュースも試し、お酒は飲みませんでした。シカゴでいい走りがしたい気持ちが強かったのです。
8週間の練習プラン
過去の入力条件から大会後に再作成した個人用プランです。大会前の原本や実施記録ではありません。体験記の参考として56日分を掲載します。
- A目標 3:45 · 5:20/km
- B目標 3:55 · 5:34/km
8週間すべてを見る(56日)
W1 · 基礎期 36km
- 月
- 休養
- 火
- イージーラン4km
- 水
- ランニングクラブ8km(ゆっくり)
- 木
- イージーラン4km
- 金
- 休養
- 土
- 休養
- 日
- ロング走20km、5:34〜6:39/km
W2 · 基礎期 43km
- 月
- 休養
- 火
- イージーラン6km、最後に流し4〜6本
- 水
- ランニングクラブ8km(ゆっくり)
- 木
- イージーラン6km
- 金
- 休養
- 土
- 休養
- 日
- ロング走23km、5:34〜6:39/km
W3 · 強化期 47km
- 月
- 休養
- 火
- アップ2km+閾値走4km(4:50〜5:04/km)+ダウン1km
- 水
- ランニングクラブ8km(ゆっくり)
- 木
- イージーラン6km
- 金
- 休養
- 土
- 休養
- 日
- ロング走26km、5:34〜6:39/km
W4 · 強化期 52km
- 月
- 休養
- 火
- イージーラン5km、最後に流し4〜6本
- 水
- ランニングクラブ8km(ゆっくり)
- 木
- イージーラン5km
- 金
- イージーラン5km
- 土
- 休養
- 日
- ロング走29km、最後の3kmは目標マラソンペース5:20/km
W5 · ピーク期 58km
- 月
- 休養
- 火
- アップ2km+閾値走5km(4:50〜5:04/km)+ダウン1km
- 水
- ランニングクラブ8km(ゆっくり)
- 木
- イージーラン5km
- 金
- イージーラン5km
- 土
- 休養
- 日
- ロング走32km、20〜28kmの区間を目標マラソンペース5:20/kmで
W6 · ピーク期 64km
- 月
- 休養
- 火
- アップ2km+目標マラソンペース6km(5:20/km)+ダウン1km
- 水
- ランニングクラブ8km(ゆっくり)
- 木
- イージーラン6km
- 金
- イージーラン6km
- 土
- 休養
- 日
- ロング走35km、最後の5kmのマラソンペース走は脚の状態を見て任意
W7 · 調整期 40km
- 月
- 休養
- 火
- イージーラン6km、最後の3kmは目標マラソンペース5:20/km
- 水
- ランニングクラブ8km(ゆっくり)
- 木
- イージーラン6km
- 金
- 休養
- 土
- 休養
- 日
- ロング走20km、最後の4kmは目標マラソンペース5:20/km
W8 · 大会週 大会前16〜19km+本番
- 月
- 休養
- 火
- イージーラン6km、最後に流し4〜6本
- 水
- ランニングクラブ6km(ゆっくり)
- 木
- イージーラン4km、最後の2kmは目標マラソンペース5:20/km
- 金
- 休養
- 土
- 休養、またはごく軽い3km(任意)
- 日
- 大会当日:フルマラソン42.195km
カレンダーは左右にスクロールできます。日ごとに読む場合は日別表示へ。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
休養 |
イージーラン4km |
ランニングクラブ8km(ゆっくり) |
イージーラン4km |
休養 |
休養 |
ロング走20km、5:34〜6:39/km |
休養 |
イージーラン6km、最後に流し4〜6本 |
ランニングクラブ8km(ゆっくり) |
イージーラン6km |
休養 |
休養 |
ロング走23km、5:34〜6:39/km |
休養 |
アップ2km+閾値走4km(4:50〜5:04/km)+ダウン1km |
ランニングクラブ8km(ゆっくり) |
イージーラン6km |
休養 |
休養 |
ロング走26km、5:34〜6:39/km |
休養 |
イージーラン5km、最後に流し4〜6本 |
ランニングクラブ8km(ゆっくり) |
イージーラン5km |
イージーラン5km |
休養 |
ロング走29km、最後の3kmは目標マラソンペース5:20/km |
休養 |
アップ2km+閾値走5km(4:50〜5:04/km)+ダウン1km |
ランニングクラブ8km(ゆっくり) |
イージーラン5km |
イージーラン5km |
休養 |
ロング走32km、20〜28kmの区間を目標マラソンペース5:20/kmで |
休養 |
アップ2km+目標マラソンペース6km(5:20/km)+ダウン1km |
ランニングクラブ8km(ゆっくり) |
イージーラン6km |
イージーラン6km |
休養 |
ロング走35km、最後の5kmのマラソンペース走は脚の状態を見て任意 |
休養 |
イージーラン6km、最後の3kmは目標マラソンペース5:20/km |
ランニングクラブ8km(ゆっくり) |
イージーラン6km |
休養 |
休養 |
ロング走20km、最後の4kmは目標マラソンペース5:20/km |
休養 |
イージーラン6km、最後に流し4〜6本 |
ランニングクラブ6km(ゆっくり) |
イージーラン4km、最後の2kmは目標マラソンペース5:20/km |
休養 |
休養、またはごく軽い3km(任意) |
大会当日:フルマラソン42.195km |
- 保存版の条件では、32kmと35kmの両方を終えられなければB目標へ変更します。両方完了してもA目標を保証するものではありません。
- 水曜のクラブ練習はゆっくり走る前提です。マラソンペースになった場合は、火曜のポイント練習をイージーランへ変更する予定でした。
- 最初のロング走後48時間、古傷や関節に症状がないことが進行条件でした。この過去の個人プランは読者の現在の状態に合わせた処方ではありません。
- 最終週土曜の3kmは任意。8週間の大会前練習量は356〜359kmです。
- 再作成版の週距離は、旧版に残る39 / 43 / 48 / 54 / 60 / 63 / 39 / 18kmと異なります。本ページは提供PDFと同じ再作成版を固定掲載しています。
大会期間のホテルを、納得できる予算で探す
ビザは思ったより順調で、航空券も時間と料金が合うものを見つけられました。むしろ何度も探したのはホテルでした。
スタートとゴールに行きやすい市中心部に泊まりたい。でも9月に予約サイトで見ると、料金がかなり高い。前夜の1泊で1,500米ドルほどの表示も見た記憶があります。満室のホテルもありました。
その後、大会公式の参加者案内のHotelsから、Maritzの宿泊予約サイトへ進みました。提携ホテルと、スタート・ゴールからの距離が載っていました。
最初は一人で泊まるつもりでWestin River Northを予約しましたが、友人2人も来ることになり、人数と日程を変更する必要が出ました。探し直して、最終的にはPalmer House Hiltonにしました。
3人で4泊。宿泊費は約1,850米ドルで、エキストラベッド代を含めた支出は約1,900米ドルでした。
他サイトの料金画面は保存していないので、正確にいくら安くなったかは比較できません。ただ、自分には納得できる選択肢が見つかった入口でした。
予約後もしばらくは、予約サイトの確認メールだけで、ホテルからの確認がありませんでした。本当に取れているのかな、と気になっていたので、ホテルの確認が届いてようやく安心しました。
大会当日、近さはわかりやすい利点でした。自分はFブロックでGate 1から入場。ホテルから2ブロックほどなので、歩いてすぐでした。近くに泊まっていたため、荷物も預けませんでした。
走り終えて脚がつらいとき、ホテルへ歩いて戻り、シャワーを浴びて休めるのがありがたかったです。


ここに書いた料金は、2026年の自分の宿泊についてのものです。公式案内は大会ごとに更新されるので、ホテル、料金、条件は予約時の表示を確認してください。
シカゴの宿を探すとき、もう一つ確認したい入口
大会期間のホテルを比較するなら、普段の予約サイトと一緒に公式の宿泊窓口も見る価値があると思います。
- 大会公式案内のHotelsから、その大会の宿泊予約窓口へ進み、実際の日程と人数で検索します。
- 同じ日程、部屋タイプ、人数で、税金やエキストラベッド代を含む総額を比較します。検索画面の1泊料金だけで判断しないこと。自分たちは3人4泊、加床込みで約1,900米ドルでした。
- 指定された入場ゲートとの位置関係、支払い・キャンセル条件、予約確認の内容をチェックします。スタート周辺に近くても、どのゲートにも同じ距離とは限りません。
この方法で自分は納得できる部屋を予約できましたが、公式経由がいつも安いとは言えません。走ったあと比較的早くホテルへ戻れたことも、今回の料金に納得できた理由です。
ハーフでは、今日は調子がいいと思っていた
先にアメリカへ入り、フィラデルフィアで数日過ごしてから、10月8日にシカゴへ着きました。大会までには時差にもほぼ慣れていました。

金曜の昼にバスで参加キットを受け取りに行きました。車内は同じ目的の人ばかり。Expoは想像以上に混んでいて、ゼッケンと参加Tシャツを受け取ると、あまり見て回らずに帰りました。

土曜は博物館や買い物へ。約10km歩き、少し疲れましたが、気分は軽いままでした。夕方6時からパスタを食べ、その夜はよく眠れました。翌朝、Apple Watchの睡眠スコアは97。今日は走れそう、と強く思いました。

朝はカフェイン入りの糖質ドリンクを飲み、7時ごろ出発。スタートへ向かう道では、緊張より楽しみな気持ちが大きかったです。

前半を抑え、後半を速く走るネガティブスプリットを考えていました。1km5分30秒くらいから、少しずつ上げるつもりでした。
でも実際は、入りが速くなりました。
高層ビルでGPSが乱れるという話を読んでいたので、時計より体感を優先。鼻で吸って口で吐き、呼吸が苦しくないなら続けられるペースだと思っていました。
期待していたより暖かく感じましたが、目標は変えていませんでした。まず走って、暑くて難しくなれば後で落とそう、と考えていたのです。
10kmは50分01秒、ハーフは1時間46分35秒。
ハーフの数字を見て、今日は調子がよく、3時間45分を切れるかもしれないと思いました。
均等なペースで3時間45分を狙うなら、ハーフは1時間52分30秒。約6分も早かったのに、レース中の自分は喜んでいました。
公式区間タイムと時計の1kmペースを重ねて見る
前半1:46:35、後半2:04:44で、差は18分09秒でした。赤い横線は公式計測区間の平均、青い折れ線はApple Watchの1kmごとの平均ペースです。表示は切り替えられます。
3:45の目標ペース、約5:20/km
公式距離は42.195km、時計は42.52km。各kmの位置が完全に一致するわけではありません。
公式通過タイムと区間ペースを見る
| 計測地点 | 累積タイム | 区間ペース |
|---|---|---|
| 5 km | 0:25:23 | 5:05/km |
| 8 km | 0:40:06 | 4:54/km |
| 10 km | 0:50:01 | 4:58/km |
| 15 km | 1:14:55 | 4:59/km |
| 20 km | 1:40:47 | 5:10/km |
| 21.0975 km | 1:46:35 | 5:17/km |
| 25 km | 2:07:29 | 5:21/km |
| 30 km | 2:34:38 | 5:26/km |
| 35 km | 3:04:50 | 6:02/km |
| 40 km | 3:38:16 | 6:41/km |
| 42.195 km | 3:51:19 | 5:57/km |
時計の1km平均ペースと心拍数を見る(最後は1km未満)
| 時計の区間 | 区間タイム | 平均ペース | 平均心拍数 |
|---|---|---|---|
| 1km | 5:08 | 5:08/km | 159 bpm |
| 2km | 5:29 | 5:29/km | 161 bpm |
| 3km | 5:16 | 5:16/km | 159 bpm |
| 4km | 4:54 | 4:54/km | 157 bpm |
| 5km | 4:43 | 4:43/km | 160 bpm |
| 6km | 4:49 | 4:49/km | 165 bpm |
| 7km | 4:41 | 4:41/km | 165 bpm |
| 8km | 4:53 | 4:53/km | 163 bpm |
| 9km | 4:51 | 4:51/km | 167 bpm |
| 10km | 4:55 | 4:55/km | 166 bpm |
| 11km | 4:48 | 4:48/km | 164 bpm |
| 12km | 4:54 | 4:54/km | 164 bpm |
| 13km | 4:53 | 4:53/km | 161 bpm |
| 14km | 4:56 | 4:56/km | 162 bpm |
| 15km | 4:57 | 4:57/km | 162 bpm |
| 16km | 4:51 | 4:51/km | 162 bpm |
| 17km | 5:39 | 5:39/km | 163 bpm |
| 18km | 4:53 | 4:53/km | 161 bpm |
| 19km | 5:04 | 5:04/km | 161 bpm |
| 20km | 5:08 | 5:08/km | 161 bpm |
| 21km | 5:06 | 5:06/km | 161 bpm |
| 22km | 5:55 | 5:55/km | 162 bpm |
| 23km | 5:13 | 5:13/km | 162 bpm |
| 24km | 5:23 | 5:23/km | 162 bpm |
| 25km | 5:20 | 5:20/km | 162 bpm |
| 26km | 5:32 | 5:32/km | 162 bpm |
| 27km | 5:10 | 5:10/km | 161 bpm |
| 28km | 5:15 | 5:15/km | 162 bpm |
| 29km | 5:23 | 5:23/km | 165 bpm |
| 30km | 5:36 | 5:36/km | 165 bpm |
| 31km | 5:55 | 5:55/km | 166 bpm |
| 32km | 5:34 | 5:34/km | 172 bpm |
| 33km | 5:54 | 5:54/km | 165 bpm |
| 34km | 6:06 | 6:06/km | 163 bpm |
| 35km | 6:10 | 6:10/km | 161 bpm |
| 36km | 5:59 | 5:59/km | 164 bpm |
| 37km | 6:18 | 6:18/km | 163 bpm |
| 38km | 7:01 | 7:01/km | 159 bpm |
| 39km | 6:52 | 6:52/km | 160 bpm |
| 40km | 6:12 | 6:12/km | 165 bpm |
| 41km | 6:02 | 6:02/km | 164 bpm |
| 42km | 5:40 | 5:40/km | 170 bpm |
| 最後の1km未満 | 3:08 | 5:55/km | 171 bpm |
時計が記録した心拍数の変化
Apple Watchの全体平均は163拍/分。グラフは1kmごとの平均を線で結んだもので、1秒ごとの記録ではありません。最後の点は1km未満の区間です。
データの出典と記録方法
横軸にはそれぞれの距離表示を残しています。時計の1kmとコース上の距離表示は同じ場所とは限りません。青い点は各1km区間の中央、最後の短い区間は丸められた総距離からの概算位置です。秒単位のデータを補間してはいません。
出典は作者提供の公式tracking画面、Apple Watchの区間画面4枚と運動概要です。時計の運動時間3:50:27、経過時間3:51:18、公式完走タイム3:51:19は別の値です。区間表示の合計は運動時間より1秒短いまま保存しています。グラフから脚がつった原因は判断しません。
大会結果は公式Resultsページから確認できます。
沿道で何度も聞いた「You can make it」
応援は最高でした。イヤホンは使いませんでしたが、沿道の声が途切れません。場所によっては耳が痛いくらいでした。
友人が送ってくれた待ち合わせ場所の連絡は、スタート付近の電波が悪く、なかなか届きませんでした。ようやく確認でき、走り始めて1kmほどで右側に寄って友人を見つけ、ハイタッチ。その後も写真を撮ってくれたそうですが、こちらは気づけませんでした。人も音も多かったのです。

ハーフを過ぎると左足が少ししびれる感じがして、太ももの前にも小さなぴくつきがありました。まだ走れましたが、30kmを過ぎるとはっきりペースが落ちました。
ジェルは8本持ち、7本食べました。ほぼ30分に1本の予定どおりで、塩分補給も自分の計画に沿っていました。ただ、しびれや脚がつった原因は、今もわかりません。
最初にはっきりつったのは38kmあたり、ふくらはぎの後ろ側でした。ふらついて道の端へ寄ると、男性が支えてくれました。ゲータレードを開け、少し飲ませてくれました。
「You can make it, you can make it」
何度も言ってくれました。
脚を伸ばすと、比較的すぐ走り出せました。急いで戻ろうとして、一緒に写真を撮らなかったことを今も少し後悔しています。
2回目はその少し先。今度は反対側の脚の、太ももの前がつる感じでした。
3回目はゴールの近く。最後に上げようとしてまたつり、端に寄って伸ばし、ゆっくり走り直しました。
呼吸はまだ大丈夫。でも、脚が言うことを聞きません。最初につった時点で、3時間45分は難しいだろうと思っていました。
ゴールは3時間51分19秒でした。
ゴールのあとにも続きがあった
脚はまだつりそうでした。立っても、地面に座っても横になってもつらく、椅子に座ると少し楽でした。
救護をお願いすると、スタッフが車椅子で救護所へ連れていき、心拍や血圧を測り、情報を記録して様子を見てくれました。
それでも冗談を言う余裕はありました。「Will I see my mom again?」と。
15分ほどで落ち着き、ゆっくり外へ出て友人と合流。写真を撮り、歩いてホテルへ戻ってシャワーを浴び、食べ放題の焼き肉をしっかり食べました。



月曜は階段がつらく、火曜には少し楽になりました。木曜には自分の感覚ではほぼ回復し、1週間後にランニングを再開しました。
目標に届かなかったことで、自分を強く責めてはいません。自己ベストは出たし、伸ばせるところもたくさんあります。
スタート前へ戻れるなら、最初はもっとゆっくり、と伝えたい。終えられなかったロング走も、きちんと振り返りたいです。
でも、シカゴで感じたことはそれだけではありません。
天気のいい湖畔は気持ちよく、街をメダル姿で歩けば、気づいた人が「おめでとう」と声をかけてくれました。そのたび、来てよかったと思いました。

申し込みを引き受けたときは、一度きりのシカゴかもしれないと思っていました。走ったあとは、ほかの大会と街も楽しみ、少しずつメダルを集めたくなりました。自己ベストが出ればうれしい。出なくても、速いタイムは次の大会で目指せばいい。
次に変えることが一つあるとすれば、冷蔵庫のマグネットを買いすぎないことです。
