ハイロックス バーピーブロードジャンプ|80mの距離とルール
80m・自重で、オープンもプロも全く同じ種目です。ノーレップで取られやすい判定、目安タイム約5:46、そして大きく跳ぶほど損をする理由を解説します。
ポイント
- 80m・自重で全ディビジョン共通——オープンもプロもダブルスもリレーも、まったく同じ種目です。プロに上げても難しくなりません。
- 回数ではなくメートルで測ります——回数は跳距離の結果にすぎず、少ない回数で終えても得はありません。
- 取られやすいノーレップ——胸を床に明確につける、両足同時に踏み切って同時に着地する、着地点から前へ跳ぶ、手は爪先から30cm以内。
- コースで2番目に長く、目安は約5:46——スレッドプッシュの約2倍。着地のダメージは、残り4本のランに響きます。
バーピーブロードジャンプは第4種目、80m、コースで2番目に長い種目です。1回ずつは耐えられるのに、まとめると壊れる——それがこの種目の罠です。心拍は走るときより高く上がり、報われるのは持久力ではなく爆発力。しかも着地の繰り返しが、残り4kmのランに必要な大腿四頭筋を削っていきます。
規格:80m、自重、全ディビジョン共通(オープン・プロ・ダブルス・リレー。出典:HYROX Singles Rulebook 26/27、§8.4)。目安タイムは約5:46(第三者集計の参考値・非公式)。競技順のなかでの位置づけは8種目の競技順解説で確認できます。
プロに上げても、ここは変わりません
重量のある5種目は、オープンからプロに上がるとすべて重くなります。ソリ2種目、ファーマーズキャリー、サンドバッグランジ、ウォールボールにはそれぞれ専用の数値があります。
バーピーブロードジャンプにはそれがありません。全員が80m・自重で、女子オープンも男子プロもまったく同じ種目に取り組みます。調べるべきプロ用の数値も、換算する数字もありません(ディビジョンで変わる種目はHYROX 重量早見表にあります)。
そのため隣の選手との差は、技術・ペース配分・体重あたりの出力だけで決まります。なお26/27ルールブックでは距離・重量・回数が25/26から変更なしなので、この条件は2シーズン続いています。
ノーレップになりやすいポイント
特に取られやすいのは次の判定で、どれも疲れると最初に崩れるものばかりです。
- 胸を床に明確につける。 公式には「乳頭ラインが床に明確に触れること」と定義されています(§8.4)。後半で下ろしが浅くなるのが、いちばん多いノーレップです。
- 両足同時に踏み切り、同時に着地する(公式許容差は5cm)。疲れるとジャンプが片足着地に変わります。それは1回として数えられません。
- 着地した位置から前へ跳ぶ。 ラインを少しずつ前にずらして距離を稼ぐことはできません。
- 手は爪先から30cm以内につく。 立ち上がりで足が指先より前に出るのも違反です(§8.4)。
ペナルティはルールブック自体に明記されています(§8.4)。1回目の違反は正式な警告、2回目は15秒ペナルティ、以降は違反のたびに15秒追加(警告はもうありません)。この3段階方式は8種目中6種目で共通です(ウォールボールは警告なしで、1回ごとにレップかノーレップかを判定)。むしろ注意すべきは二次情報のほうで、よく読まれている英語解説3本のうち1本は、現行ルールブックのどこにもない「5mの距離ペナルティ」をいまだに載せています。
大きく跳ぶほど損をします
少ない回数で80mを終えたくなりますが、その直感は間違いです。全力の立ち幅跳びは脚のほぼ最大出力で、しかもすぐ次が来ます。大きく跳ぶ人は1回ごとに前へ進みますが、その分だけ酸素負債が増え、着地の衝撃も強くなります。
この種目は回数ではなくメートルで測ります。つまり回数は跳距離の結果にすぎず、回数を減らしても得はありません。小さく、同じ距離を、リズムよく——股関節と膝を曲げて柔らかく着地する跳び方のほうが、結果的に速く終わり、脚も残ります。
省エネのもう半分はバーピー側です。跳んで戻るのではなく、足を1歩ずつ引く。立ち上がりも跳ね上がらず踏んで立つ。遅く感じますが遅くなりません。1回あたりの着地衝撃が2回から1回に減るからです。
目安は約5:46、ダメージは遅れて来ます
目安タイムは約5:46で、コースで2番目に長く、スレッドプッシュの約2倍です。ただしこのタイムは実際の負担を過小評価しています。
着地のたびに大腿四頭筋が伸ばされながら力を出す(エキセントリック収縮)ため、走りの経済性をいちばん削るタイプの筋ダメージが蓄積します。そしてこの種目のあとにも、まだ4本のランが残っています。
心拍が当てにならないのもこのためです。この動作は走るとき以上に心拍を上げるので、「まだ抑えている」と感じる強度が、実際には上限に近くなっています。走るときより意図的に低い強度で刻んでください。完走予想のなかでの位置はハイロックス タイム計算機で、自分の心拍の目安は心拍ゾーンで確認できます。
入り方と、最後の数十メートル
この種目には、速度を落としてから入ってください。手前のランはスプリントで終えず、抑えた強度で入ります。最初の10回でリズムが決まり、息が上がった状態で決めたリズムは必ず速すぎるからです。
調子が悪い日でも最後まで保てるリズムを選び、それを守ります。止まらない一定ペースは、速く数回進んでは膝に手をつくやり方に必ず勝ちます。
数えるのはレップの回数ではなく、何本進んだかです。距離系種目は本数で区切られており、数え間違いは時間を失う定番の失敗です。最後まで出し切るのも避けてください。次に来るのは1kmのランで、その脚はこの種目で数分間削られたばかりです。
第2種目も新鮮な脚を狙ってきます(スレッドプッシュ攻略で重量と4本のラインルールを解説しています)。ハイロックス自体が初めての方は、ランナーのためのハイロックス入門から読むのがおすすめです。実際の大会はHYROX 開催スケジュールで確認できます。
参考文献
- (2026). HYROX Singles Rulebook 26/27. hyrox.com.
- (2026). HYROX Doubles & Relay Rulebook 26/27. hyrox.com.