ハイロックス スレッドプッシュ|公式重量・50mの押し方
50mは12.5m×4本。公式重量はソリ本体込みで、男子オープン152kg・女子102kg。押し方と折り返しの使い方、目安タイム約3:01まで解説します。
ポイント
- 152kgはソリ込みの総重量です——プレートの重さではありません。女子オープン102kg、男子オープンと女子プロ152kg、男子プロ202kg。
- 50mは一気に押しません——12.5m×4本で、1本ごとにソリがラインを越える必要があります。
- ソリを止めないこと——止まったソリは動いているソリよりはるかに重く、加速と停止の繰り返しは大きな損になります。
- いちばん怖がられる種目ですが、いちばん削られる種目ではありません——ランナーへの負担では8種目中軽いほうから2番目。代償は第3〜8ランに出ます。
スレッドプッシュは第2種目、当日いちばん重い負荷ですが、終わるのは3分ほどです。初参加でいちばん怖がられる種目でもあります。ただし本当のコストはソリの上ではなく、そのあとのランに出ます。
規格:50m(12.5m×4本)。女子オープン102kg、男子オープンと女子プロ152kg、男子プロ202kg。いずれもソリ本体を含めた総重量です(出典:HYROX Singles Rulebook 26/27、§4.1・§8.2)。目安タイムは約3:01(第三者集計の参考値・非公式)。8種目全体での位置づけは8種目の競技順解説をご覧ください。
公式重量は「ソリ込み」の総重量です
この数字でいちばん多い誤解は、公表値をプレート(重り)の重さだと思ってしまうことです。そうではありません。152kgとは、ソリ本体とプレートを合わせて152kgという意味です。
誤解したままだと実害があります。ジムのソリにプレートを152kg積んで「レース重量の練習」をすると、本番よりかなり重いものを押していることになります。
| ディビジョン | スレッドプッシュ重量(ソリ込み) |
|---|---|
| 女子オープン | 102kg |
| 男子オープン / 女子プロ | 152kg |
| 男子プロ | 202kg |
この表には2つの注意点があります。女子プロは男子オープンと同じ152kgを押すため、女子がオープンからプロへ上げると一気に50kg増える計算になります。
もう1つはダブルスでも重量は半分になりません。2人で同じソリを押し、分けるのは距離だけです。リレーはオープン重量のみで、プロ設定はありません。全種目・全ディビジョンの数値はHYROX 重量早見表にまとめてあります。
押し方の基本は3つだけです
- 姿勢を低く、腕は固定する。 腕を上下に動かして押すと肩から先に疲れます。
- 足裏全体で、床を後ろへ蹴り出す。 「ソリを前へ押す」より「床を後ろへ送る」と考えるほうが力が出ます。
- 歩幅は小さく刻む。 大股は力が入っているように感じますが、実際にはてこが利きません。
フォーム以上に大事なのがソリを止めないことです。動いているソリは、止まったソリよりずっと小さい力で進みます。一定のペースで押し切る人が、加速と停止を繰り返す人に勝ちます。
なお床の摩擦は会場ごとに違うため、同じ152kgでも体感はかなり変わります。当日は数字ではなく感覚で判断してください。
12.5m×4本と、ラインのルール
50mは一気に押すのではなく、12.5mを4本、両端で折り返します。ルールは1本ごとにソリがラインを越えること。惜しいところで折り返すと、戻ってやり直しになります。引きずり等のフォーム違反も取られ、違反は公式の3段階方式(警告、2回目は15秒、以降は都度15秒追加)で処理されます(§8.2)。
3回の折り返しは「中断」ではなく、この種目の構造そのものです。呼吸できるのはそこだけなので、折り返しごとに深く1回吸って、すぐ押し始めるのが現実的です。途中で長く休むより速くなります。
目安は約3:01、ただし請求書は後から届きます
目安タイムは約3:01で、8種目のなかでは短いほうです(バーピーブロードジャンプはこの約2倍かかります)。それでもスレッドプッシュは、体感と実際のコストがいちばん食い違う種目です。
第2種目に置かれているため、ここで使った脚は、残り6kmのランから前借りしたものになります。15秒を稼ぐために全力で押すのは、初参加の典型的な失敗です。自分の区間タイムはハイロックス タイム計算機で、そのあとのランの現実的なペースはペース計算機で確認できます。
本番前に練習しておきたい2つのこと
1つ目は、心拍が上がった状態で押すことです。ジムで休んでから押す1本と、1km走った直後に押す1本は別物です。「走る、すぐ負荷、また走る」という切り替えこそ、この種目が試している能力です。
2つ目は折り返しの練習です。12.5mごとに3回、ここで多くの時間を失います。改善コストがいちばん低いのもここです。
第1種目は逆にほぼ上半身で、スキーエルグ攻略で股関節主導の引き方とダンパーの誤解を解説しています。第4種目は静かにエンジンを削る種目です(バーピーブロードジャンプ攻略)。実際のレースで試したくなったら、HYROX 開催スケジュールから近い大会を探せます。
参考文献
- (2026). HYROX Singles Rulebook 26/27. hyrox.com.
- (2026). HYROX Doubles & Relay Rulebook 26/27. hyrox.com.